採算度外視? 意欲的なデザイン誌「デザインのひきだし」

20101203_01.jpgデザンイン関連の雑誌はいろいろとあるかと思いますが、ここまで印刷にこだわった雑誌も珍しいのでは?という書籍の紹介です。はた目にも「採算がとれているのだろうか?」と心配してしまうほど印刷加工にこだわったデザイン誌です。






デザインのひきだし」は、グラフィック社という、美術・デザイン関連の書籍を多く扱っている出版社から年に数回刊行されている雑誌です。

20101203_02.jpg

▲表紙は毎号テーマに沿った加工が施されています。
1) 穴が空いてます / 2) 金ぴかの紙を使用 / 3) 凹凸のある加工 / 4) シールになっている


20101203_03.jpg内容は、グラフックデザインに関連した印刷知識・テクニックや珍しい技法を紹介。加工工程の解説はもとより、その工程で仕上がった実物も冊子に見本として製本されているという凝った作りになっています。





▲制作工程の紹介記事も読み応え充分


20101203_04.jpg通常のデザインHow to本であれば、写真と文章で作業工程を見せて誌面構成するのがほとんどかと思いますが「最終仕上がりをそのまま添付する」という手法を不定期とはいえ雑誌内で実践してしまうスタイルに驚かされます。





▲中頁でもふんだんに加工を使ってます


印刷関係に従事したことのある人間であれば、その特殊加工が”かなりの予算”が必要であるのは一目瞭然。しかも加工は一つだけでなく他の関連情報も紹介しているため、何種類かの特殊加工が施されており”とても贅沢な書籍”という印象です。

20101203_05.jpg雑誌は特集記事という形で毎回異なる特殊加工を紹介しています。制作側はそのたびに実験的な試みを行い、特殊加工が効果的に見えるデザインを施します。これは以前使った特殊技術のノウハウが毎号使われることが無い事を意味し、コスト優先のご時世にあってそれに逆行するかのような姿勢に感動を覚えます。



▲小口(本の断面)にホログラム加工!


20101203_06.jpg書籍の価格は2,000円(税別)と雑誌にしては高い印象もありますが、ここまで贅沢な仕様をしている事を考えれば安いほうではないかと思います。個人的には実際にどれくらいのコストがかかっているのかを知りたいぐらいではありますが…。




▲熱を加えた部分が透明に変化する紙


20101203_07.jpg専門用語がふんだんに出てくる記事も多いため“業界向けの書籍”という印象ですが、「紙の本」に対するこだわりをとことん追求し、技術やスピリットを後世に残したいという思いを感じます。
見て読むだけじゃなく手で触ったり、臭いをかいだり(?)、変化を楽しんだりと、印刷はこんなことも出来るんだという純粋な気持ちで見れば、デザイン初心者や門外漢の人が見ても楽しめる書籍のでは。

▲付録も凝ってます(これも印刷?糸で縫ってある)


書店で見かけたら一度手に取ってみてはいかがでしょうか?きっと「印刷された紙の本」の魅力を再発見できるかもしれません。

≫ グラフィック社

*** written by フヌール ***



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