イラストの基礎が沢山つまった絵本「エンバリーおじさんの絵かき絵本」

20110318_01.jpg今回紹介するのは、イラストの基礎が沢山つまった、子どもから大人まで楽しみながら簡単にイラストが描けるようになる絵本「エンバリーおじさんの絵かき絵本」。
基本的にストーリーは無く、いろいろな物のイラストの描き方が1つ1つ丁寧に描かれている内容で、“親に読み聞かせてもらう”というより、“実際に一緒になって絵を描いて楽しむ”、そんなタイプの絵本です。


「エンバリーおじさんの絵かき絵本(Ed Emberley's Drawing Book)」(3冊セット)

エド・エンバリー/作 横山直子/日本版文字 1981年初版(偕成社)
1.かお・顔・フェイスをかこう(Ed Emberley's Drawing Book of Faces)
2.どうぶつ・動物・アニマルをかこう(Ed Emberley's Drawing Book of Animals)
3.なんでも かけちゃうよ!!(Ed Emberley's Drawing Book :Make a World)

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エンバリー氏自らの子ども時代、絵を描く時実際やっていた手法を元にして、子どもの頃こんな本が欲しかったなと考えてつくった絵本だそうで、1では色々な表情やキャラクターの顔を、2で色々な動物、3で乗り物や建物などその他色々な物を、さらにそれらを組み合わせていくことで、ひとつの世界や物語まで表現できてしまうといった“誰でも楽しく絵が描ける”がテーマの絵本です。

この絵本で描かれているイラストの特徴は、必要最小限の単純な線や形の組み合わせだけを使用したイラストになっていところ。それをパーツごとに分け、描き順を丁寧に紹介しています。結構難しそうなイラストでも、1つ1つ順を追って描いていけば、小さな子でも、絵の不得意な人でもイラストが描けるようになる仕組みになっています。

ページの初めの方はかなり単純なイラストから始まりますが、あとにいくにつれ段々と複雑になっていきます。ただ、1つ1つのパーツ自体が“○△□”や“XYZ”などの単純な形状なので、描き順に沿ってどんどん足して組み合わせていくだけでイラストが描けてしまいます。
また、30年以上も前に描かれた絵本ですが、シンプルな線や形からなるかわいいイラストは、今でも色あせない魅力をもっています。見ながら一緒に描いていくのが楽しく、さらに描き方の基礎や特徴の捉え方の勉強にもなりますね。

20110318_02.jpg20110318_03.jpgなお、写真は1981年初版のものです。現在購入できるものは、1999年初版のもので『エンバリーおじさんの絵かきえほん「かおかけちゃうよ」「どうぶつかけちゃうよ」「なんでもかけちゃうよ」』とタイトルなどの日本語の文字が多少変更されているみたいです。

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エド・エンバリー(Ed Emberley)

1931年アメリカのマサチューセッツ生まれ。ボストンのアートスクールを卒業後、広告デザインを学び、イラストレーターとして活躍します。
初の絵本がニューヨークタイムズ誌の年間最優秀賞を受賞。1968年には「Drummer Hoff」でコールデコット賞(アメリカで最も権威のある児童書の賞)を、あの“レオ・レオニの「フレデリック」”(「スイミー」等の作者で有名な絵本作家・イラストレーター)を抑え、受賞しています。ちなみに、この年の次席候補には日本出身の絵本作家、八島太郎の「The Seashore Story」”もありました。(日本とアメリカとで活躍した画家・絵本作家で、作家の伊佐千尋とハリウッド俳優のマコ岩松は息子)

≫ エド・エンバリー公式サイト(英語)
≫ 偕成社公式サイト
≫ アメリカ図書館協会 1938年から現在までのコールデコット賞受賞者(英語)

*** written by タケダ ***



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