
冬のこの時期になると、よく食べるフルーツといえば“ミカン”。暖かいコタツでミカン、ついつい食べ過ぎてしまいます。さて、ミカンを食べるときには皮を剥いてから食べますよね。みなさんは、どのように剥いて食べますか?ヘタの方から?お尻の方から?豪快に半分に割ってから剥く?
今回はそんなミカンの剥き方で、色々な動物の形を作れる、ちょっと変わった絵本「あたらしいみかんのむきかた」を紹介します。

あらすじ
大晦日、むきお君は大好きなミカンを見つめ、何やら真剣に考え込んでいました。そしてついに閃きます。“あたらしいみかんのむきかた”を…。「ミカンの皮をむくことで、自分とむき合う」そんな、むきおとミカンの、そして家族・友人入り乱れた、前代未聞の新たなミカンのむき合いが幕を開けるのです!? 1巻(むき方全25種収録) 2巻(むき方全21種収録)
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まず最初は、そのシュールなストーリーとユニークなキャラクターにとにかく衝撃を受けます。普通に読むだけでもネタとして十分大人も楽しめてしまいます。とくに注目は、各剥き方毎のむきお君の感想「思ったこと」。面白すぎ。
しかし、ただのネタ本と侮るなかれ、中で紹介されている剥き方は、図の通りに剥いていけば、ちゃんとその通りに剥くことができるのです。凄いのが一個のミカンの皮を剥くだけで完結しているということ。付け足したり、取り除いたりせず、ちゃんと一枚続きになっているところです。
とはいえ“剥く”といっても、ガイドの線を引いたり、カッター等を使わないとちゃんと剥くことはできませんが。(作中の主人公は素手で剥いてます。凄すぎだろ)

「スズメ」★★★

「竜?」★★★★
実際やってみたんですが、これが結構難度高いです。本の見た目は子供向けの体裁をとってはいますが、正直小さい子供には難しすぎるのではないでしょうか? 1巻の方は1年以上前に購入していましたが、今回はじめて剥きました。
剥き方の難度は★の数(1〜5つ)で表現されており、★3つの「スズメ」は何とかそれっぽくなりましたが、下は今年の干支「竜」のつもりだったんですが…ちょっと微妙ですね。これで★4つ。★5つのものにはちょっと手が出せませんでした(たぶん無理だろこれ)。上手にむくにはそれなりの練習が必要のようです。
著者のあとがきにもありますが、昔から「折り紙」は“四角い紙を折るだけ”というシンプルな基本ルールの中で様々な創作が今までなされており、その無限の可能性に人々は魅せられてきました。この「あたらしいみかんのむきかた」も同じように“皮を切ってむくだけ”というシンプルなルールの中で作られていますね。結構、奥の深いアート(?)なのかもしれません。
≫ 小学館「あたらしいみかんのむきかた 1」作/岡田好弘 文・絵/神谷圭介≫ 小学館「あたらしいみかんのむきかた 2」作/岡田好弘 文・絵/神谷圭介
*** written by タケダ ***
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