常識の斜め上を行く土下座マンガ「どげせん」

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世の中にいろいろなテーマや物語を持ったマンガはたくさんありますが、「土下座」がテーマというインパクトのあるマンガがあります。

「土下座」がテーマというビックリするような設定のマンガ「どげせん」。
主人公は高校の教師で、自分の意志を通すための手段として「土下座」をするという強者。相手がヤクザでも今どきの高校生でも時と場所を選ばずおかまい無しに土下座する。
土下座された相手はそのインパクト、神懸かり的なオーラに圧され主人公に説得させられるという、ある種の心理的な格闘マンガです。

今回、ものコレ!でこの「土下座マンガ」を取り上げたのは、そのテーマが珍しい事もありましたが、このマンガを巡る状況が非常に面白く、後世に残るマンガではないかと感じたからです。
なのでマンガの内容に関する評論はここではあまりいたしません。

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まず、「どげせん」の歴史から紐解きますと、2010年11月に「漫画ゴラク」という漫画雑誌で連載が開始されました。
原作・画はRIN。企画・協力として人気の格闘マンガ「グラップラー刃牙」で有名な板垣恵介。この二人の共同制作で「どげせん」は始まりました。
Wikiによると板垣氏の知人が主人公のモデルとなっているらしく、コンセプトや作品のトーンを板垣氏が作ったという感じでしょうか。

しかし、開始から約1年後の2011年月に、突如25話をもっていったん打ち切りになります。理由は板垣氏とRIN氏の「土下座性の違い」。ということで二人の共作はここでなくなることに。
よく、ロックグループが「音楽性の違い」という言葉で解散したりしますが、この両氏の場合は「作品の方向性の違い」ではなく、「土下座性の違い」と言ってしまうところにインパクトあります。これはこのマンガが単なる作品ではなく「土下座」をどのように捉えるかという思想の問題である事を物語っています。

そして、2011年12月に発案者の板垣氏が作・画で新しい土下座マンガ「謝男(シャーマン)」を漫画ゴラクで開始。
方やRIN氏は「ヤングキング」に場所を移し「どげせんR(リターンズ)」を再開します。

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板垣氏の「謝男」は「謝」という字をタイトルに用いてますが、ルビとして「シャーマン(祈祷師)」とあるように、「謝る」以外の「祈り」などの土下座行為を含めたスケール感のある仕上がりになっています。主人公の説得能力は善悪を超えて神懸かり的な領域に達しています。

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逆にRIN氏の「どげせんR」は、人と人との絆を中心に熱い人間ドラマが展開(主人公以外の所で)され、主人公の軽妙さと相まってギャグマンガすれすれの独特の世界観を醸し出しています。

このように同じ設定(主人公の名前は違いますが、2作品ともうだつの上がらない高校教師)で、違う漫画が同時進行で連載を続けている状況は、なかなか珍しい現象ではないでしょうか。
同じマンガが分裂して違う作者が描くというダイナミックな展開は、プロレスの場外乱闘をエンターテイメント化する手法のように、作品にもちょっとした興奮を巻き起こします。
そういった状況を含めて楽しめる漫画「どげせん」はかなりの異色作。
今後の展開も目が離せません。

板垣恵介

漫画ゴラク

ヤングキング


*** written by フヌール ***



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